「フグには毒がある。」
これは子どもでも知っているくらい有名な話です。
でも、いざ「じゃあ毒はどこにあるの?」と聞かれると、意外と答えられる人は多くありません。
「全身が毒なんじゃない?」
「身まで危ないの?」
「そもそも、なんで毒なんて持ってるの?」
……このあたりになると、急にみんな口数が少なくなります。
フグは「危険な魚」というイメージばかりが先行していますが、実際には毒のある部位やその特徴は一様ではなく、種類によっても違いがあります。
この記事では、フグの毒はどこにあるのかをテーマに、毒のある部位や種類による違い、フグが毒を持つ理由などを、信頼できる資料をもとにわかりやすく解説します。
「なんとなく知っている」を「なるほど、そういうことだったのか」に変えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかることは以下の通りやで~!
- フグの毒はどこに集まるの?
- 身や皮にも毒はあるの?
- 種類によって毒の違いはある?
- そもそも、なぜフグは毒を持つの?
- フグ毒はどこからやってくるの?
それではどうぞ!
フグの毒はどこにある?【結論】
フグと聞いて最初に思い浮かぶものは何でしょう。
「高級魚」。
……いや、多分違います。
多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、「毒のある魚」です。
テレビでもニュースでも、「フグによる食中毒」という話題を目にすることがありますし、「フグ=危険」というイメージはすっかり定着しています。
でも、そこで一つ疑問が浮かびます。
「その毒って、結局どこにあるの?」
実は、フグの毒は体全体に均一に存在しているわけではありません。毒がある部位はフグの種類によって異なり、同じフグの仲間でも毒の分布には違いがあります。そのため、「フグは全部毒」とひとくくりにすることはできないのです。
一般的には、肝臓や卵巣などに強い毒を持つ種類が多い一方で、皮や筋肉(身)は種類によって毒性が異なります。
まずは、代表的な部位ごとの特徴を一覧で見てみましょう。
| 部位 | 毒の特徴(一般的な傾向) |
|---|---|
| 肝臓 | 強い毒を持つ種類が多い |
| 卵巣 | 強い毒を持つ種類が多い |
| 腸 | 毒を持つ種類がある |
| 皮 | 種類によって異なる |
| 血液 | 種類によって異なる |
| 身(筋肉) | 種類によって異なる |
※上記は一般的な傾向です。フグの毒の有無や強さは種類によって異なり、すべてのフグに共通するものではありません。
「毒がある魚」という一言で片付けられがちなフグですが、実際には想像以上に奥が深い魚です。
フグの毒がある部位を詳しく解説
フグの毒と聞いて、まず思い浮かぶのは「肝臓」でしょう。
これは有名です。
では、卵巣は?腸は?皮は?
そして、最も気になる「身」は?
……急に自信がなくなってきます。
フグには毒がある。これは誰でも知っている。
しかし、「じゃあ、どこにあるの?」となると、話は意外と複雑です。
実際には、フグの毒は特定の部位に集中する傾向がありますが、その分布や毒性は種類によって異なります。
ここでは、フグ毒について特に知っておきたい5つの部位を見ていきましょう。
肝臓
フグの毒について語るなら、まず肝臓を外すわけにはいきません。
厚生労働省の資料でも、多くのフグで肝臓に強い毒性が確認されています。
「フグの毒=肝臓」というイメージが定着しているのも、こうした毒の分布が理由です。
ただし、ここでもフグは一筋縄ではいきません。毒性の有無や強さは、フグの種類によって異なります。
つまり、「フグの肝臓は全部同じ」と考えることもできません。なかなか面倒な魚です。
卵巣
次に出てくるのが卵巣です。
卵巣も、フグ毒が蓄積する代表的な部位の一つです。
種類によって違いはありますが、高い毒性が確認されているフグもあります。
肝臓だけ覚えて安心していると、もう一つ隠れていました。
フグの毒は、どうやら「ここだけです」と親切に名札を付けてくれるつもりはないようです。
腸
腸にも毒性が確認されている種類があります。
ここでも重要なのは、すべてのフグで同じというわけではないということ。
フグについて調べていると、何度も「種類によって異なる」という話が出てきます。
「またか」と思うかもしれません。でも、この「またか」が重要です。
フグの毒を理解するうえでは、種類による違いを無視できません。
皮

「皮にも毒があるの?」
そう思う人もいるでしょう。実際、皮についても種類によって毒性が異なります。
つまり、「フグの皮」と聞いただけでは、その毒性を一律に説明することはできません。
魚の皮といえば、普通はただの皮です。ところがフグの場合、話が急にややこしくなる。
なかなか油断できません。
身(筋肉)
そして、おそらく一番気になるのが「身」でしょう。
「毒があるのは内臓で、身にはないんじゃないの?」
そう思いたくなるところですが、筋肉についても種類によって毒性が異なります。
実際に、厚生労働省の資料では、ドクサバフグの筋肉にも毒性が確認されていることが示されています。
つまり、「身だからこう」と単純に決められるものではありません。
ここまで来ると、フグについての記事を書いているのに、ずっと同じ結論を言っているような気がしてきます。
「種類によって異なります。」
しかし、これがフグ毒を理解するうえで非常に重要なポイントです。
フグの毒は、どの種類でも同じ場所にあるわけではありません。
毒性が確認される部位やその強さには、種類による違いがあります。
では、具体的にどれくらい違うのでしょうか。
次の章では、トラフグ・クサフグ・ヒガンフグなどを例に、種類によって毒のある部位がどのように異なるのかを見ていきます。
フグは種類によって毒のある部位が違う
ここまで読んで、「フグの毒は種類によって違う」という話が何度も出てきました。
では、実際にはどれくらい違うのでしょうか。
答えを先に言うと、かなり違います。
同じ「フグ」という名前で呼ばれていても、種類が変われば毒性が確認される部位も変わります。
フグといえば全部同じ顔をして、全部同じように毒を持っている。
……そんなに話は簡単ではありません。
ここでは、身近な種類として名前が挙がりやすいトラフグ・クサフグ・ヒガンフグを例に見てみましょう。
トラフグ

まずは、フグの代表選手ともいえるトラフグです。
トラフグでは、厚生労働省の資料において、肝臓、卵巣、腸などに毒性が確認されている一方、部位によって毒性の有無や強さに違いがあります。
つまり、「トラフグには毒がある」と一言で説明するより、
「トラフグでは、部位によって毒性が大きく異なる」
と考えたほうが実態に近いわけです。
高級魚として有名なのに、毒について調べ始めると急に話が難しくなる。
なかなか一筋縄ではいきません。
クサフグ

次は、海釣りなどでも見かけることがあるクサフグです。
クサフグについても、厚生労働省の資料では肝臓、卵巣、皮、腸などで毒性が確認されている一方、筋肉については異なる結果が示されています。
ここで注目したいのは、トラフグとクサフグを比べると、同じフグ科の魚でも毒性の分布が同じではないということです。
「フグ」という大きなくくりだけで考えると、どうしても全部同じように見えてしまいます。
ところが、実際に種類ごとの資料を見てみると、話が変わってきます。
ヒガンフグ

そしてヒガンフグ。
こちらも厚生労働省の資料では、肝臓、卵巣、皮、腸などで毒性が確認されている一方、筋肉についてはトラフグやクサフグとは異なる特徴が示されています。
ここまで3種類を見ただけでも、
「フグには毒がある」
という一言だけでは、毒の分布までは説明できないことが分かります。
フグの種類が変われば、毒性が確認される部位も変わる。
これが今回の記事で覚えておきたい重要なポイントです。
そして、もう一つ興味深いフグがいます
ドクサバフグです。
厚生労働省の資料では、ドクサバフグは筋肉を含め、すべての部位で毒性が確認されているとされています。
ここまで来ると、
「フグの毒って、内臓にあるものなんじゃないの?」
という最初のイメージが、少し変わってきませんか。
フグの毒は「内臓にある」というだけでは説明しきれません。
種類によって毒性の分布が違う。
そして、その違いを知ると、なぜフグについて「種類の判別」が重要視されるのかも見えてきます。
フグという魚、見た目は丸くて愛嬌があるのに、中身はなかなか複雑です。
次の章では、そもそも「なぜフグは毒を持っているのか?」という、もう一段深い疑問について見ていきましょう。
フグはなぜ毒を持っているの?
ここまで読んでくると、今度は別の疑問が出てきます。
「そもそも、なんでフグは毒なんて持っているの?」
魚なのだから、普通に泳いで普通にエサを食べていればいい。
わざわざ毒まで装備する必要があるのか。
フグ本人に聞いてみたいところですが、残念ながら答えてくれません。
現在の研究では、フグの毒であるテトロドトキシン(TTX)は、フグ自身が体内で一から作り出しているのではなく、食物連鎖を通じて取り込み、体内に蓄積していると考えられています。
フグは自分で毒を作っているわけではない?
ここが、フグ毒を知るうえで面白いポイントです。
「フグは毒魚なんだから、自分の体の中で毒を製造しているんだろう」
と思いがちですが、現在の研究では、そう単純な話ではないと考えられています。
テトロドトキシンは海洋細菌などにも存在することが確認されており、それらを起点とする食物連鎖を通じて、さまざまな生物へ移動していくと考えられています。フグもその食物連鎖の中でTTXを取り込み、体内に蓄積するとされています。
つまり、
「フグが毒を作る」
というより、
「環境中に存在する毒を取り込み、体内に蓄積する」
というイメージのほうが、現在の研究に近いわけです。
フグ、まさかの自家製ではありません。
毒は食物連鎖を通じてフグに蓄積する
では、どうやってフグの体まで毒がやってくるのでしょうか。
研究では、海洋細菌などがテトロドトキシンの供給源となり、それを含む生物が別の生物に食べられることで、食物連鎖を通じてTTXが移動していく仕組みが考えられています。
イメージすると、
海洋細菌
↓
小さな生物
↓
それを食べる生物
↓
さらに上位の生物
↓
フグ
という、壮大な「毒のリレー」です。
そしてフグは、その過程で取り込んだテトロドトキシンを体内に蓄積すると考えられています。
実際、TTXを含まない餌を与えて飼育したフグでは毒性が確認されなくなることや、TTXを含む餌を与えることで毒を蓄積することを示した研究もあり、食物を通じた蓄積を支持する結果が報告されています。
フグが毒を持つ理由については、まだ研究が続いている部分もあります。
そのため、「フグは○○のために毒を持っている」と一つの理由だけで断定するより、毒を体内に蓄積する仕組みと、毒がフグにとってどのような役割を持つのかを分けて考えることが大切です。
そして、ここまで来ると新しい疑問が出てきます。
「そんな強い毒を持っているのに、なんでフグ自身は平気なの?」
これもなかなか不思議な話です。
ただ、今回はそこまでフグに付き合うと記事がどんどん長くなっていきます。
気になるところですが、続きはまた別の話。
まとめ
「フグには毒がある。」
ここまでは誰でも知っている話です。
ところが、「じゃあ、どこにあるの?」と聞かれると、急に話が難しくなる。
今回の記事で見てきたように、フグの毒はすべての種類で同じ部位にあるわけではありません。
肝臓や卵巣などに毒性が確認される種類がある一方で、皮や筋肉(身)についても、種類によって毒性の分布が異なります。
つまり、フグの毒について覚えておきたいのは、
「フグには毒がある」ではなく、「フグは種類によって毒のある部位が違う」
ということ。
さらに、フグ毒として知られるテトロドトキシンについても、フグが体内でせっせと製造しているという単純な話ではありません。
現在の研究では、食物連鎖などを通じて取り込んだテトロドトキシンを体内に蓄積すると考えられています。
毒を持つ理由を調べ始めたら、今度は「そもそも、その毒はどこから来たんだ」という話まで出てくる。
フグ、なかなか話が終わりません。
今回の記事で押さえておきたいポイントをまとめると、以下のとおりです。
- フグの毒は、すべての部位に一様に存在するわけではない
- 毒性が確認される部位やその強さは、種類によって異なる
- 肝臓や卵巣などに毒性が確認される種類がある
- 皮や筋肉(身)も、種類によって毒性の分布が異なる
- フグ毒のテトロドトキシンは、食物連鎖を通じて取り込まれ、体内に蓄積すると考えられている
「フグは毒のある魚」。
それだけで終わらせると少し単純ですが、調べてみると、毒の分布も、その由来もなかなか複雑です。
丸くて愛嬌のある見た目とは裏腹に、調べれば調べるほど奥が深い。
フグという魚、見た目以上にややこしい。
それが今回の記事で一番伝えたかったことです。
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それではまた別の記事でお会いしましょう!!


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